RX-8 SPIRIT R 試乗 歴代最速 1分9秒284 の筑波ラップタイム! RX-8研究22
RX-8 の最終モデルとなる『スピリットR』、レブスピード誌の協力で筑波サーキットコース2000で試乗タイムアタックを行い、1分9秒284をマークした。
歴代RX-8ノーマルのベストタイムだ。
2012年3月22日 ドライ
テストコース:筑波サーキットコース2000
テスト車両:マツダRX-8 SPIRIT R
ドライバー:出来利弘
※写真は池之平 昌信。(REVSPEEDつかポンブログより)
REVSPEEDさんにOKいただいたので、こちらでもタイム公開しました。
レブスピード6月号にテスト記事が掲載されています。
こんなに良かったか!RX-8 スピリットRの完成度の高さに驚いた。
時期ロータリースポーツ、新型NDロードスターにも期待が高まる。
街乗りで感じられたしっかり感はサーキット上でも変わらなかった。
全てにおいて精度が高く、オレが今まで乗ったどのRX-8よりも上質なものだった。
サーキットにコースインし、加速すると、まずエンジンの回転バランスが非常に優れており、レスポンスも良いことが解る。235psを発生する世界唯一のロータリーエンジン、RENESISのレッドゾーンは9000rpm。そこまで振動もなく、「クォーン!」というビートの効いたサウンドと共に吹け上がった。ギヤ比も筑波サーキットにピッタリと合っている。ボディ、シャシーのハンドリングも正確で実にシッカリとしたもの。ブレーキ性能、冷却性能も十分だった。弱アンダーのセッティングでサーキットを安心して攻めることが出来た。タイム狙いのサスペンションセッティングで、ここまでトータルバランスが高く仕上がっていることに、9年間の熟成を感じる。
オレは2008年パーティレースにRX-8に出場してチャンピオンになっているが、そのパーティレース車両はサーキットを走るためにとてもお金のかかるクルマだった。オイルクーラーを追加し、サスペンション、ダンパー、スタビライザーを強化し、前後にストラットタワーバーを装着、ブレーキパッドを強化、バケットシート装着、前後ホイールを鍛造軽量ホイールに変更、スポーツタイヤを装着・・・これらを行ってやっとサーキット走行可能となるが、エンジン、ミッション、デフの油温は高く、デリケートだった。前期RX-8のレース仕様は、それでもラップタイムはこの時期で1分8秒台に入るかどうかで、1周のみしかベストは出なかった。ノーマルのままでは1分11秒台程度だったことから、それでも2秒以上速いが継続性はなかった。
後期のRX-8 RSはノーマルでも上記の前期の欠点を全ての面で進化させ、サーキット走行での信頼性をアップした。そのまま1分9秒台での走行が可能。RSをベースとしたスピリットRでは、さらに走りが洗練されていた。サーキットのタイムアタックは参考までに計測する予定だったので、ガソリンが50リットル以上入っていた。また路面温度も高く、ナビ付、サイドエアバック車両であったことなど考えると1分9秒284のタイムは上々だ。きっと条件さえ揃えば、8秒台も夢ではないだろう。さらにパーティレースカーのように車高調サスキットで車高を落とし、ハイレートのスプリングを組んだり、RE-11などのハイグリップタイヤを装着することで7秒台はもちろん、6秒台も出る可能性が高い。
現在、最終型となったスピリットRの生産は通常のラインと異なり、マツダ宇品工場にて熟練工が1台ずつ丹念に組み上げているという。すべての車両がマツダが量産車に設けている個体差の基準値内の最高品質に揃えられて出荷されている。
それらはエンジンはもちろん、ボディ、シャシー、サスペンションなどに至るまで全てだというのだから驚く。この価格帯の車両では通常考えられない工程だ。
BBS製19インチの軽量鍛造ホイール、BS製ポテンザRE050のタイヤ、熟成されたビルシュタイン製ダンパーキット、軽量RECARO製レッド本革バケットシートなど一流ブランドとの共同開発によって生み出されたスペシャルパーツを標準装備、フルエアロ(フロントエアロバンパー、サイドステップ、リヤスポイラー、フルフラットアンダーパネル)を装備し、色褪せないボディデザイン、上質な内装など考慮すると325万円はまさにバーゲンプライスと言えるのではないか。
最後の2000台(6月20日現在、残り300台と言われている)『RX-8 SPIRIT R』に賭けるマツダの意気込みは半端でなかった。
もう新車でロータリースポーツを購入できることは今後ないかもしれない。時代がRX-8のコンセプトに追い着き、ライバルとなるFRスポーツも登場したというのに生産中止は実にもったいない。「RX-8を一度は新車で乗ってみたい!」と思っている人は、本当にこれが最後のチャンスとなるが、スピリットRはその期待に十分応えてくれるクルマだ。
自動車研究家 出来利弘
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