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2009年8月26日 (水)

Star Mazda 情熱物語 4 Goshenチームとの別れ

Gp3r20091968 8月15日(土)夕方、Goshenチームスタッフ全員をモーターホームに呼び、私は「チームを去る報告」をしました。

Gp3r20090873オーナーのビル、マネージャーのポール、リーダーのリッチー以外はまだ私の移籍の話は知らされていませんでした。「土曜の夜にして欲しい」とポールに言われたのでその時を待っていました。

Gp3r20091165_2 「Goshen
(ゴーシェン)チームで私が走るのは明日が最後になります。みんなも知っている通り、私達は一緒に良い結果を残せませんでした。だから今日で解散です。私はこのレースで辞めることを考えていました。もうお金もなく、まだスポンサーも着いていないからです。でも私は次のレースからJuncos(ジュンコース)で走ることになりました。彼らが私をサポートしてくれるというのでそれに賭けてみます。ごめんね。でもこれは私にとっても大変なチャレンジなんです。新しいチームで結果に結び付けられなかったっら全てが終わる。それでも私は挑戦します、勝つために日本から来たから。どうか解って欲しい。そして、見守ってください。Goshenのみんなとのレースは明るく希望に満ちたものでした。一度も手を抜かず、ベストを尽くして来たと神に誓って言えます。私達は同じ目標に向かって突き進んだ仲間でした。これからも一生、みんなは私の友達だよ!」
みんな、黙って私の目を見て聞いてくれました。ただ、リッチーは下を向いたまま。そして話が終わると外に飛び出していきました。私は追いかけ、彼を捕まえました。「サンキュー、リッチー。あなたとの日々を忘れないよ。」彼は笑顔を見せてくれました。最も辛く厳しいはずなのに・・・。Goshenチームはリッチーが中心のチームでもあったと言えます。ライアン、ビリーが去ったことでいつかこうなるとはわかっていても私が最後に去る瞬間はやりきれないものがあったはずです。彼とならいつか笑って話せるはずです。今はそれぞれの道を歩むべきです。

P1070414 ケイトは「仕事だから仕方がない。トシはこれまで良く頑張った。応援しているよ。明日のレースも頑張ろう!」そう言ってくれました。
スタッフのみんなは「驚いた。ちゃんと挨拶をして、言いにくいこともちゃんと告げて去っていくドライバーを初めて見た。みんな黙って、サッと消えちゃって、違うチームから出たりするのに・・・。ちゃんと話してくれてとても嬉しい。」そうセイジに言ったそうです。セイジは「日本人はこういう風にするんだ。トシを応援してやってくれな!」とみんなに話してくれたそうです。

私の最後のレースを絶対良い結果にしてやろうとメカニックもエンジニアもタイヤマンもみんな力が入ります。最後のメンテナンスです。こうして、私は今考える最高の状態で伝統の40回記念、Trois-Rivieresレースを走ることが出来たのです。

こんなに良い関係のまま別れることができたのもお互いに「本気でレース」をしていたからだと思います。自分の意見を強く主張しあい、ぶつかったこともあります。相手に気を遣いすぎて失敗したこともあります。2009年モデルのセットアップには多くのチームが前半苦労していました。2004年から熟成されてきた旧モデルを上回るのは、どのチームも簡単なことではなかったのです。若いエンジニア、ケイトは良くやってくれたと思います。「ゴーシェンチームでなければスターマツダにデビューできなかった」と今も思っています。このチームで思い切り走れたことで私は成長したのです。そして一年を待たずに次のステップを踏むべき時期が来ていました。
P1070413

嬉しいことに、ジュンコースも私に可能性を感じてくれたことです。そして、ゴーシェンチーム自体もビリーの成績不振などによって転機を迎えていたことが、私にとって大きなチャンスとなりました。オーナーのビルが今回の移籍にとても協力的でいてくれたことは本当に信じられないことです。全力を尽くしてきたその走り、情熱は国とは関係なく伝わるのだと私は確信しました。もちろん、ここにはマネージャーであるセイジの熱意溢れる説得があったのは言うまでもありません。レースに駆けつけてくれた日本のファンのみんなの想いもきっとその力になってくれたと思っています。この移籍はここを見てくれているみんなで勝ち取ったもの。応援する気持ちが道を切り開いてくれたのだと思います。

本当にありがとうございました。人から人へと伝わるパワーとはこういうものを言うのだと思います。目に見えない力に後押しされ、今、私達は次のステップへと向かうのです。

出来利弘

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