TD-1001R開発、販売とスターマツダレースチャレンジは同じこと
TD-1001Rの開発、販売したこととアメリカのスターマツダにチャレンジすること。これはある意味全く同じことです。そこには夢があり、希望があり、同じ価値観を持つ人を幸せにする力があります。多くの人に「こんなことができるのか!」と勇気を与えることも出来ます。歴史の貴重な1ページとなります。何よりディーテクニックの方向性を表現することが出来ます。
しかし、それを実行し、実現するにはたくさんの人の理解と協力があり、運もなくては出来ませんでした。もちろん自身の努力と一歩踏み出す勇気がなくては、何も始まらないものでした。
ディーテクニックを始める時に決めたことがあります。それは出来るだけ多くの人に会って話をしようということ。私たちは人間です。動物なんだから、いくら電話、メールが発達しても会うことには敵わない。大切な人には会って話をしようということ。その一歩として座学によるドライビング講座はどうしても必要でした。クルマをスポーツドライビングを愛する人たちと時間を共有する中から、生まれた感情をそのまま表現したパーツ、クルマ、イベントを作ろうと考えました。仲間たちと触れ合いながら、しかし、物創りに関してはプロ意識を持って私が考え、みんなの一歩先を行くマインドで創っていこうと心がけました。今、認められるものよりも何年経っても色褪せず、「そういうことだったのか!」と思ってもらえるような展開を考えました。それを自慢するでもなく、その時には常に先に向かって進んで行こうと。だから、私がアメリカのスターマツダへ挑戦することの意味を理解してもらえない人がいることも分かっています。しかし、5年後、10年後には「確かにあのとき出来さんがアメリカに渡り、しかもスターマツダにチャレンジしていなければ、いけなかったね。」と言ってくれる人がたくさんいると確信しています。
今までのこともそうでした。新しいこと、一歩先に出ると必ず反対の意見も出ます。自分でよく考えて判断し、どうなっても一生懸命できる確信があれば、まずチャレンジしてみることが大切なのです。反対意見に対してもしっかりと解説出来るプランが必要です。それでも前例のないことは多くの場合、受け入れられません。だから、時には黙ってそれにチャレンジして、結果を残すことが要求されるのです。それを出来る環境を作ることが出来るなら、私は迷わずやるべきだと思います。頑張っても出来ないときは出来ない。チャンスがあるということは、神様がそれを用意してくれたのですから、やってみて結果を見るべきだというのが、私の考え方です。それは別に大きなことである必要はありません。みなさんの周りにある小さなことでも同じことです。私は確かにちょっと大きなことをしていますから、その環境を実現するためにさらに工夫して、努力しました。でも多くの人の協力と運が重ならなければ、ここまで来ることはできませんでした。運よく、チャンスが目の前に準備されたのですから、あとはやるだけです。これをクリアすることでひとつ階段を上れるのです。
F3までのレースへのチャレンジも反対がありましたが、その経験がなければ出来なかったこともたくさんあります。ロードスターのベストセッティングもそうですし、人間関係もそうです。独立も反対がありましたが、思い切らなければ今に繋がりませんでした。たくさんの出会いもなかったと思います。ディーテクニックでのドライビング講座も座学のみはほとんど前例がなかったし、パーティレースのメンテナンスも「そんなノーマルの車両をメンテナンスして・・・」といった話を良く聞きました。TD-1001Rに関しては、反対は絶対出るとわかっていましたので、トップシークレットで開発を進めました。案の定情報が漏れた瞬間にたくさんの人に「そんな大きなプロジェクトを行っては失敗したら、お前の会社潰れるぞ!おれたちは協力しない。」と言われました。しかし、それを説得し、発売したからこそ、今のディーテクニックがあります。だれも「TDを発売したのは失敗だった」などとは言いません。「TDがあったからこそ、今のディーテクニックだね」と言ってくれます。その後の展開も小さなことも全て同じです。TD-1001Rを開発して販売し、買った人も買わなかった人もみんな幸せになってくれたと思っています。5年経って、ディーテクニックの歴史としても良いチャレンジだったと思っています。これと今のスターマツダへのチャレンジとその後は似ています。スターマツダ参戦を応援してくれた人、私の活動を買ってくれるスポンサーも幸せになってもらえると思いますし、その様子を見てくれている人たちも幸せな気持ちになってくれると信じています。
少なくとも私は「TDプロジェクト」を成功させました。今回の「スターマツダプロジェクト」も同じです。
だから「成功させてみせる!」と強く思うのです。私たちにとってこのチャレンジは必要なことなのです。こういったことが、モータースポーツとスポーツカー、クルマを愛する人々の中に必要なことなのです。そうすることで、より深くスポーツカーを、モータースポーツをみんなと一緒に楽しむことが出来ると信じています。だから、諦めず、チャレンジします。
私には、この先の未来に『みんなの笑顔』が見えます。
レーシングドライバー 出来利弘
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