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2009年6月22日 (月)

Star Mazda Championship Rd.6 Milwaukee 結果速報

Milwaukee0619090945 6月20日(土)にスターマツダチャンピオンシップシリーズ第6戦ミルウォーキーのオーバルコースで行われた。このレースにディーテクニック・レーシングのToshi Deki(出来利弘)がゴーシェン・モータースポーツのドライバーとして参戦。決勝17位で完走しました。

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たくさんのドラマがあり、ちょっと長めの速報となります。

  Goshen Motorsports(ゴーシェン・モータースポーツ)Car No.80 Toshi Deki です。ミルウォーキーは今期初のオーバルトラックを使ったレースとなりました。

現地はとても激しい嵐に見舞われ、レースともに開催が危ぶまれる状態でした。木曜日にテントを設営し、翌日金曜1日のみのプラクティスに備えます。しかしその夜振り出した雨は激しく、サーキットトンネルは水没し、ゴーシェンのテントの中にも雨が進入、トラックのタイヤに残された雨の後から推測すると水深は20cmほどあったと思われます。マシンは持ち上げられていたので無事でした。雨の重さでテントの柱の一部が曲がっていたほどです。しかし、もっと厳しいチームがありました。強風で
あおられ、テントが吹き飛ばされてしまい、マシンも工具も水浸しになってしまったところがありました。チーム・マンディル(Mundill)でした。

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テント(なんと400万円以上もする!!)は非常にしっかりしたものでコンクリートに縛られているのですが、そのアルミ角柱すらも捻じ曲げられてしまうほどのものでした。金曜日はみんな水かき作業からスタートし、プラクティスセッションの準備も出来ませんでした。さらに雨も降り出し、状況は絶望的。天気予報もダメだと報じています。トップチームたちは諦め、マシンをトラックに積み込み終えました。私は先月のテストで好タイムをマークしていたもののそれは2008年までのサスペンションシステムでの話、今回はNEWタイプで挑んでいます。データは全く無く、振り出しです。全てのテストセッションが行われることを見越してのギャンブルでした。しかし、その時、奇跡がおきました。太陽が顔を出し、天気が一気に好転したのです。

「もしかしたら走れるかもしれない。」全てのチームが急いでマシンを準備します。祈るような気持ちの中、スタンバイして待ちます。コースに巨大なドライヤーカーが出て、コースを乾かします。このドライヤー、なんとジェット機のエンジンを積んでいて、その熱風を吹き付けるというとんでもないもので、いかにもアメリカらしい発想。一気に路面を乾かしていきます。天気予報では続いて嵐がまた来る予定。一瞬のプラクティスにかけます。NEWタイプのサスペンションは残念ながら、エンジニアの思ったとおりには作用せず、33秒のタイム(先月の走行スタート30秒、ベストは28秒台)と苦戦します。手早くセットアップをチェンジしますが、ベストははるかに遠く、30秒台がやっとの状況でこの日を終えます。セッション終了1分後にはまた激しい嵐、テントの中に再び洪水が押し寄せます。チーム・マンディルはどこからか借りてきたのか小さなテントで凌いでいます。Milwaukee0619090922

この嵐はなんとか止み、翌日のレースは開催される方向となります。しかし、なんと「スターマツダのウォームアップ、予選は中止にする。決勝レースのみ開催する。」という異例の事態となりました。これはメインイベントであるナスカー(NASCAR)の予選が前日に行えなかったためにスケジュールがずれ込んだということらしい。プラクティスのベストタイムを予選タイムとしてスタートするというのだ。朝の10分のウォームアップ、予選でセットアップを詰めて決勝に挑む予定だった私は非常に厳しい立場に追い込まれました。ビックチェンジの結果、細かい調整をしてなんとかなるはずだったのにもうどうしようもありません。「これはアイオア、オートバーンに向けての練習だと思ってください。危なかったらリタイアします。もちろん上手く行けば頑張ります。」そういってグリッドにつきました。

22位からのローリングスタート、順調にスタートを切りますが、やはりわずかにスピードが足らず、集団に少しずつ離されます。セットアップは良く決まり、好バランスでしたが、少しソフトすぎました。スプリング、アライメント、ショック、スタビライザー、エア圧、エアロ、ライドハイト、全てを大きく変更していきなり決勝はさすがに厳しかった。それでも30秒2のラップでは走行できたので、完走を目指すことにしました。前車が0.7秒しかタイム差がないまま数珠繋ぎになって走行しています。周回遅れになるときはイン側によけますが、するともう立て続けにそれこそ20台近くに譲らなくてはいけないという屈辱の展開です。

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レースは大変なサバイバルレース、スタート直後の1コーナーではアンデルセンチームの22番コナーと33番ケントがチームメイト同士でクラッシュ、リタイヤします。前回のニュージャージー2連戦のウイナーとなり、チャンピオン候補となった二人がいきなりリタイヤ。その後もゼッケン20番JDCのグスタボが単独クラッシュ彼は私と同じ2009モデルのマシンです。77番ケビン、71番デビットと次々にコンクリートウォールにクラッシュしてしまいます。繰り返されるフルコースコーション、ラインを外すとタイヤカスを拾い、危険な状態となります。Milwaukee0619090361私のマシンは最後まで好バランスながら、少しソフトすぎてペースは上げることができませんでした。しかし、次回に繋がる走りとなりました。残り10周を残してのフルコースコーションからの再スタート、9位を走っていたビリー・ゴーシェンがスタートを決めて強引にインに入り、2台をオーバーテイク!7位でチェッカーを受けます。私はそれを直後で見ていました。凄かった。100ラップのレースはチェッカーとなり、優勝は27番アンダース・クローン(Anders Krohn)、2位は11番アダム・クリストドゥロ(Adam Christodoulou)、3位は51番アレックス・アドインが入った。17位はトシ・デキ(Toshi Deki)は17位で完走した。優勝したアンダース・クローンのチームはマンディル!そう、あの400万円のテントが吹き飛ばされ、全てが水浸しになってしまったチームであり、今期初の初優勝!!ドライバーが奮起したかどうかはわからないが状況を知っている関係者全員が喜び、泣かせる結果となりました。
また、今回、4位には3番ピーター・デンプシィ(Peter Dempsey)が入ったが、彼は終盤2位を走行しており、どうして4位だったかまだ確認していませんが、そのジャンプアップは見事なものでした。彼はこのレースからチームをジュンコース(Juncous Racing)に移籍しました。シーズン中のポイントリーダーの移籍にパドックは驚きを隠せませんでした。ピーターは昨年、アンデルセン(Aubdersen Racing)でフルシーズン戦い、シリーズランキング3位、最終戦までシリーズチャンピオン候補の一人でした。今シーズンは2008年のチャンピオンチームAIM Autosportに移籍し、第2戦で優勝しています。
毎回ウイナーが変わる激しいレース展開、これでまた、アダムとピーターがチャンピオン候補にあがり、ますます今年の展開がわからなくなってきました。

次回は同じオーバルでもさらにバンクが深い第7戦アイオア(IOWA)7月10日に1Dayでプラクティスか予選、決勝まで行われる。このミルウォーキーからのセットアップを続けていきますので、これからも応援よろしくお願いします。

レーシングドライバー 出来利弘



  スターマツダのホームページ:http://www.starmazda.com/
 
 その他「Star Mazda」で検索すると様々な情報が得られます。

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