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2009年2月11日 (水)

Star Mazda参戦への道 16 レース開催地、Infeneonへ

P1000066_3 バトンウィローでのプライベートテストを終え、ゴーシュンチームと私はレースが開催されるサーキットインフィニオンへ向かった。

P1000060 明けて木曜日、スターマツダのコースで最もタフだと言われるコース、インフィニオン・レースウェイに到着。昨日のバトンウィローに比べ、遥かにハイスピードで横Gもかかるのだという。実はコース図も見る間もなく、ここまでやってきた。何をやっているんだと言われそうだが、そうしなければ、ここまでたどり着けなかった。
スターマツダ参戦もサーキットへの移動中に小早川さんに電話で伝えた。一番お世話になっていながら、連絡が出来ず、今回の出発となってしまっていたのだ。それほど時間がなかった。「あれ?日本に帰ったんじゃなかったの?」と言われ、「そのはずだったのですが、なぜか今週末レースに出ることになり、今サーキットに向かってます。」「え!?レース?」という状況。「スーツを持って行っといた方がいいよ、何が起きるかわからないから。」とアドバイスをくれていたRCOJの水落さんにもメールするなど、最低限のあちこちへの連絡をしたりした。前夜、加藤が探してメールで送ってくれたこのサーキットを走るオンボード映像があったが、最低限の睡眠を取る事を優先して、これをホテルを出る10分前に少し見てきた。これはとても助かった。現地でコース図をもらい、チェックする。日本では、「初めてのサーキットはこうやって攻略する!」などと座学のドライビング講座で教えているが、実際にその通りの手順で分析するとよくわかり、「あれ、ディーテクニックって結構よい教え方してるなあ。」と自分に関心してしまったりした(すみません)が、こうして追い詰められた状況でも冷静に出来るのは普段から、人に教える側にいたからであり、これまで10年以上もそれをしてきたことが役立った。日本では、自分がその立場だっただけにコーチ、チームがどう思っているか、何を求められているかが、だいたい解る。これは12年以上前にはなかったことだ。「自分に出来る範囲のことを着実にやるだけ。」それは、ただ安全に走るのではなく、チャレンジして、着実に攻めて、進歩させて行く意味が込められている。そしてその進歩を止めないことだ。言うのは簡単だが、実行はなかなか難しい。そしていよいよ走行開始。
P1000063 インフィニオンレースウェイにコースインする。簡単にコースをご紹介しよう。1コーナーは6速全開で駆け上がる左の高速コーナー。ブレーキングして3つギヤダウンして3速で抜ける右コーナー、この左右と切り返しながらのブレーキング&シフトダウンだけでもハードなのにこの路面バンピーで尚且つクリップ付近からフラットになっている。ジェットコースターの上りみたいに上ってきてフラットになるから、マシンがジャンプするみたいな感覚なのだ。そこを抜けると4速にシフトアップして左、右と切り返すS字、鈴鹿のS字に似ているが下って、上って下るので、横に縦にと強烈にGがかかり、最後は空しか見えないが踏んで山を飛び越えるとコーナーのアウトいっぱいギリギリに出る。そこから急なくだりで直角より少しきつい右。ここは3速、そして4速、5速と右コーナーのGに耐えながら、向こうが見えない上り坂を踏み切って急なくだりの左コーナー。空しか見えてないところをジャンプし、ブレーキングして4速にシフトダウンすると着地してコーナーが見えて来る感じだ。もちろん実際には飛んだりしないがそれほどGの変化が急なのだ。この左の180度4速コーナーの横Gが強烈、しかも長時間続く。出口付近でステアリングを保持したまま5速にシフトアップするが、下りのためドンドンスピードが乗り、斜め後方に強烈なGで本当に脳みそ、内臓が外側に寄るのが解る。その後、ストレートがあり、右のダブルヘアピンは2速または3速からの加速、4速、5速とシフトアップしながら、高速S字をクリアしていく、ほとんど全開、5速のS字は少しスロットルほ緩め、全開。ゆるい左コーナーを抜けながら6速にシフトアップ。インフィニオン一番の高速右コーナーは6速全開で飛び込み、スロットルを優しくオフしてすぐに踏んでいくセッティングと勇気のいるコーナー(ここでの全損クラッシュが多い)。これを抜けて、最終の右ヘアピン。6速全開からフルブレーキング!6→5→4→3→2速まで一気にギヤダウンしてターン、そこからどんどんシフトアップして緩い左を抜けて、ホームストレート、1コーナーとなり・・・、というコースだ。
P1000067 なかなかのロングコース、先が見えないコーナーが多く、確かにハードだ。しかもまだ左足ブレーキも右足でのギヤダウン時のブリッピングも練習しつつということで、もう大変。1周ずつが勉強で興味深く、「初めて大好き」な私としては、楽しくて仕方がなかったというのが正直なところ。未知の世界へのチャレンジはいつも刺激的だ。まして「絶対に壊してはいけないクルマ」「いきなり決まったレース」「もう時間がないが、良い走りをしなくては次に繋がらない」というプレッシャーが強烈にあるため、高い集中力を維持して良いチャレンジが出来る状況が整っていた。

25分の走行が3セッションあり、少しずつブレーキングポイントを奥に取り、マシンの状況を確認しながら、レベルアップしたていった。「もっとアグレッシブに!もっとプッシュしてもいいぞ!」と無線で言われたが、先にもあった「自分の出来る範囲」は自分が一番わかっているので、その言葉にムリをすることもなく、走ってタイムを縮めていった。


P1000065 そしてテスト最終セッションで初めてのグットイヤーのNEWタイヤを投入し、レースに向けての再チェックを行った。スリックはNEWタイヤのタイムアップ率がとても大きい。それを体感しながらの走行となる。スターマツダのタイヤは夏にレースが多いせいか、ハードコンパウンドで熱が入りにくい。激しくプッシュしてやっと発熱してグリップが出てくるタイプ。チームが「プッシュして乗れ」と言っていた意味もそこにある。時間は短く、タイヤをチェックしたところで終了となった。

全ての操作系が重く、ドライビングはなかなかハードなものだった。中でもアクセルペダルが重く、「パン、パン!」とブリッピングしたいのに「ブァーン、ブァーン」となってしまう。これはF3なみの柔らかいスプリングに変更してもらい、解決した。アメリカ人にとってはこのくらい重さがないと操作が大雑把になってしまうのだという。ブレーキもシーケンシャルのシフトもステアリングも全て重い、コクピットはなぜか広い。スタッフもみんなでかい。自分だけ力のない中学生くらいになってしまったような気持ちだ。「もっとマッチョにならないといけないなあ。」という元インディドライバー、リッチーの腕は私の太ももと同じくらい太い!
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普段、ツーリングカーでサーキットを走るときもレーシングスーツ、ヘルメットなど装着していて「安全」と感じることが出来るが、今回スターマツダを体感して、さらにその安全装備の大切さを思い知った。現在、アライヘルメットGP5、アルパインスターズGP-PROレーシングスーツ、GP-TECHグローブ、TECH-1Rシューズを使用しているが、ヘルメット、スーツの厚みがこれより少しでも薄く、信頼性に欠けるものだったら、「怖くて走れない」と思うほどだ。それくらいスピードもあり、スポーツでもあり、やはりフォーミュラは最先端のウェアが絶対なのだ。



レーシングドライバー 出来利弘

  スターマツダのホームページ:http://www.starmazda.com/
  
その他「Star Mazda」で検索すると様々な情報が得られます。

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