« 4月22日(火)の筑波2000スクール&走行会リポート | トップページ | 水漏れによるオーバーヒート »

2008年6月 7日 (土)

ラッピングサービス 新車のナラシ NCロードスター 研究5

Tcr2000_rappinng『ラッピングサービス』と『新車のならし』について、たくさんの質問とお問い合わせをディーテクニックにいただきました。これはブログに書くべきと思い、NCについて研究しつつ、お話します。

写真はラッピングサービス中の
TCR 2000ベース車。 

ディーテクニックには『ラッピングサービス』という裏メニューがある。『お客様の新車の慣らし』を有料で実走行で行うのだ。
当初、依頼があったのはエンジンをオーバーホール&チューニングした車両だった。確かに最初の当たり付けは非常に重要であり、慣らしの経験が多い私達の方が上手く出来るはずとのことで、引き受けたのが始まり。
後に新車に対してもこのラッピングサービスを行うようになった。
「新車を先に他人に運転させるなんて・・・」と思ったが、一般の方にとって新車の慣らしをする機会はめったにない。長いエンジンの調子に大きく影響する慣らしを重要と考え、最初の当たり付けを依頼できるのは良いサービスかもしれない。もうすでに約100台以上慣らしを行ってきて、トラブルがないことで信頼性も増してきた。

実走行ラッピングするメリットは、
1.多数の経験者が乗るため、エンジンに過剰な負荷をかけない慣らしが出来る。
2.ミッション、デフ、タイヤ、ショック、スプリング、ブレーキなど他の部分の慣らしも出来る。
3.一般の人ではなかなか気が付かない不具合が合った場合に発見出来る可能性がある。
4.全開で乗れるまでの時間が短縮できる。

エンジンの慣らしはシリンダー内をきれいに削るためにエンジンブレーキ中の時間を長く取ります。アクセルONの時間よりもアクセルOFFを長くするのです。そうは言ってもなれないと難しくつい逆になってしまう。エンジン回転を上げすぎないように気を使い、低回転で坂を上るというエンジンに非常に負荷のかかることもしてしまいがち。こういう時はシフトダウンして高めの回転で坂をクリアしたほうがエンジンに優しい。
こういった見切りは経験を積み、素早く対応しなくてはならないので、なかなか出来ない。また初めての走行では、ドライバーがクルマに慣れていないので、ギクシャクしたり、シフトミスなどし易いもの。それでなくてもミッションなども硬く、回転が正確に合わないと入りにくい。きれいに当たりがついて、オイルを交換すると上質なシフトフィールが手に入る。
新車もそうですが、エンジンチューンした際など負荷がかかった際の水漏れがないか、初期のベルトの緩みがないかなどしばらく走ってからの万一の不具合チェックなどが出来るメリットもある。そしてなにより、私達が全開走行して大丈夫と判断する状態までもっていくので、安心してサーキットに持ち込める。走行距離が多くても適正に回転を上げて、少しずつ負荷をかけ、仕上げていないエンジンでいきなりサーキットを走ると大きなダメージとなることも多い。このサービスがTCR 2000をはじめとするNR-Aに希望者が多いのもそのためだったかもしれない。

一方、このサービスにはデメリットもある。
1.跳ね石などによるフロント部、ガラスの傷などつく場合がある
2.新車を最初に乗れない
3.走行距離が伸びる

渋滞の中の慣らしはエンジンによくないため、夜の高速道路が多くの場合、ラッピングサービスの場所として選ばれる。前車との距離を開け、スピードを控えめにするなど対策をとってはいても時には跳ね石が飛んできてしまうことがある。これは避けられないため、大変申し訳ないのですが、あった場合も弁償、修理の対象外としていた。依頼の方には事前に了解を得ておくことが大切。
新車を自分のクルマと思い、大切に乗っていても避けられないこともあるのだ。理解いただいていたみなさんには、今も感謝している。「大切なお金で購入した新車を預けてくれる。」それがどれだけ大変なことなのか、その重みはいつも考え、しっかり愛情を持って行うようにしていた。
走行が伸びる・・・、当たり前ですが、信頼して預けてくださったオーナーの期待を裏切らないように、きちんと行っていくように心掛けました。走行は250km以上1000km以内くらい行い、徐々に回転を上げて行き、「良い当たりがついた。」と思った時点で終了となるので、距離には相当なバラツキがある。上手く回転が上げられると早く終了する。1500000番台以降のNCロードスターはエンジンの当たり付きが早く、250kmくらいで仕上がる例が多かった。
新車をよく乗り換える人、何台も持っている人、仕事が忙しい人、パーティレースに出る人などにメリットが大きく、予約はかなり入っていました。信頼関係がなければ成立しないこのサービス。お店とお客様というドライな関係だけではない、「クルマを大切にする」人としての想いが生んだ、ディーテクニックのクルマ大好きファンとのスペシャルメニューでした。

オイル交換と慣らしについて考えてみよう。

「新車が来たらまず、オイルを交換する」これはあるディーラーのメカニックさんに聞いたのが始まりだったのですが、抜いてみると確かにかなり出る。
NCロードスターは本当に進化している。慣らし中に出るエンジンオイルの鉄粉の量がとても少ない。NA、NBのロードスター、RX-8は慣らし前にエンジンオイルを抜いてもたくさん鉄粉が出る。その後も500km、1000kmと私たちのクルマはいつも早めにオイル交換したが、その度に「これは交換して良かった。」と思うほどだった。NCは最初500km走行で抜いても少ない。しかし、ミッション、デフは相変わらず、鉄粉多く、早めの交換が必要。

一般の方の慣らし走行においては

お勧めは最初にエンジンオイル交換、メーターで
500kmでエンジン、ミッション、デフのオイル交換とエレメント交換。
1000kmでエンジンオイル3回目の交換(NCは不要)
3000kmでエンジン、ミッション、デフのオイル交換とエレメント交換。
5000kmでエンジンオイル交換
8000kmでエンジン、ミッション、デフのオイル交換とエレメント交換。

その後はエンジンオイル交換は3500kmごと、エレメントは2回に1回の交換。ミッション、デフは10000kmごとでも良いと思われる。最初は肝心、早めの交換が30000km以上走ったあとに効いてくる。ディーテクニックはMOTULの安いオイルを慣らし用で必要量だけ販売しているが、高速慣らしにかかったとき、サーキットに行く際は性能の高いオイルへと入れ替えたほうがよい。

最初の100kmまでは4000回転以下、負荷をかけず普通に走る。その後、急に回転を上げたりせずに少しずつそれこそ100回転ずつリミットを上げていく。特に変わったことはせず、自然に乗るほうがよい。同じアクセルの踏み方をしていても吹け上がりが微妙に軽くなってきたら、回転を上げてよい合図。
先ほどまで4000回転まで上げていた感覚で4100、4200とリミットが上がってくる。上が軽くなった分、下のトルクがなくなったかのような感覚になる。そのままパワーカーブが上に移行するような感覚だ。そうして少しずつ回転を上げて、5000回転くらいまで上げられるようになったら、アクセルをオフしている時間を長く取れるように意識して乗る。
負荷をかけずに回転を上げてアクセルオフを長くとるのはとても難しい。300km以上800kmの中でその後も回転を上げつつも時に6000回転くらい過ぎも瞬間少し使用してはアクセルを離すということを数回行い、また低い回転でクルージングする。これをどの段階でやってよいかを判断するのは非常に難しいが、あまり大事にしすぎても回らないエンジンになってしまう。
そして出来ればこれはオイル交換をもう一回済ませてからが理想。何度も繰り返しおこなったり、5000回転くらいでもキープが長いと要は油温がとても高くなってしまうのが心配。補助メーターがない場合は15分くらい上げ下げして走行したら、クルージング15分くらいを繰り返し、どんなに長くても2時間ごとにはパーキングに駐車してエンジン停止、ボンネットを開けて休憩して欲しい。
エンジンがそこそこ冷えたら、また走る。これを何度も繰り返しながら、走行するのはなかなか時間と神経をつかう。エンジンが少し軽くなった時に見逃さないので、すぐ回転を少し上げて、『適度な負荷』をかけながら慣らしを行う。
そうするとまた当りが付き、軽くなるので回転を少し上げるという繰り返しが早く行うことが出来るので、一般の方が1000km~3000km走った状態に500km前後という短い走行で持ち込むことができるのだ。距離でなく、『軽くなってきた』感覚を頼りに回転を上げていくのがポイント。距離としては進んでいても重いときは無理はしない。そういう判断が求められる。
とにかくエンジンの状態を感じ取り、適切な回転リミットの上げ方によって良いエンジンに仕上げたい。NCはアルミでしかもクリアランスもきついので慣らしで違いがかなり出てくるはずだ。
自分のクルマとコミュニケーションを取りながら、オーナー自身でチャレンジするのはとても素晴らしいことだし、ラッピングサービス依頼する選択も賢い選択と言えるだろう。

出来利弘

« 4月22日(火)の筑波2000スクール&走行会リポート | トップページ | 水漏れによるオーバーヒート »

NC マツダロードスター」カテゴリの記事

パーツ・メカニズム知識」カテゴリの記事

カテゴリー

無料ブログはココログ