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2008年5月20日 (火)

M2 1001 について

P1000494 M2 1001
(エムツー イチマルマルイチ)

全長×全幅×全高:
3980×1675×1225mm
ホイールベース:2265mm
車両重量:960kg
ボディカラー:ブルーブラック
1991年発表。限定300台 
新車販売価格:340万円(税別)
販売:株式会社エム・ツー
  
M2チューン エンジン

エンジン型式:B6-ZE改
水冷直列4気筒DOHC16VALVE
ボア×ストローク:78.0×83.6mm
排気量:1597cc
圧縮比:10.67:1
最高出力:130ps/6500rpm
最大トルク:15.1kg-m/5500rpm
変速機:5速MT
最終減速比:4.30
サスペンション型式:
4輪ダブルウイッシュボーン
タイヤサイズ:195/50-15

エンジン、シャシーはもちろん、
エクステリア、インテリアに至るまで徹底してチューンされたスペシャルロードスター。

今もその独特の個性でファンを魅了し続ける。
立花啓毅氏の「ライトウェイトスポーツは本来こうあるべき!」という想いを全域に渡って表現したスパルタンなマシン。乗った瞬間、がっしりとしたステアリングとシャープな吹けあがりのエンジンに最初は戸惑い、気合いを入れ直させられる。ノーマルのユーノスロードスターと全く違うクルマといえる世界感を持っている。300台限定とはいえ、これほどの拘りを持ったクルマがメーカー直系のM2という会社から生まれたことは今も信じられない。さらにM2自体、この後、数モデルを生み出し、短い期間で幕を閉じている。CIBIE製フォグランプを内臓したフロントバンパーはこの1001専用品。アルミ製砲弾型ミラー、アルミ製フィラーキャップなどを装備し、個性を主張。また、1991年という時代において15インチアルミホイール、本格的アルミ製ロールバーを採用することは、本当に異例のこと。20mmダウンするサスペンションキットを標準装備しての新車販売も驚きだった。ベース車両は標準車でパワーステアリング、パワーウインドのないモデル。平成4年式でサイドインパクトビームがドアの中に入る前のものだ。

インテリアを細かく見てみるとアルミ製ロールバーは50φの通常タイプより太いもので接合部はボルト止めでなく溶接タイプとなっている。ボディサイド、ハードトップを固定するサイドストライカを利用して4本のボルトで接合するなど、少しでもボディ剛性を上げよういう思いを感じる。このロールバーはアルミ製バフがけタイプでそのままでも美しいが、取り外し可能なレザーのカバーが標準装備されていた。このカバーとよく似た材質を使用したドアトリムはノーマルとは違い、より弾力のあるステッチ入りのものとなっている。本革製のドアグリップ、鋭い形状のアルミ製インナードアハンドル、アルミ製ウインドレギュレータハンドル、ブリップ部にもアルミプレートが貼られていた。1001専用のバケットシートは量産車としては考えられないほどタイトなもので、乗り手を限定する。非常に肌触りのよいこのグレーの生地はFC3SのRX-7アンフィニⅣのシートと同じものを使用していると思われる。
着座位置は純正よりも少し高い。センターコンソールは取り外され、ブリティッシュライトウェイトそのものを思わせるカーペットのみによる仕様となる。細身のアルミ製シフトノブ、本革製シフトブーツ、アルミ製シフトリング、アルミ製サイドブレーキグリップ、本革製サイドブレーキブーツ、センターパネルは独立形状となり、レザーが縁取りに張られ、ステッチが入る。センターパネルはブラックの結晶塗装が施さる。ドアに取付られた専用のバックは本革製、外して持ち運び出来るほか、センターコンソール後ろ側にも移設が可能となっている。メーターも小振りな独立型の専用品。メッキリングで装飾され、ノーマルとはスピードメーターとタコメーターが逆になっている。このメーターの針の動きがなんともいえない古いバイクのような雰囲気を醸し出している。いったいどこまでコストをかけるのか、この領域に踏み込んでインテリアを仕上げた例は他にはなかった。(写真の3連メータとオーティオは社外品)


出来利弘

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アルミのバフがけされたカムカバーのエンジンはいわゆるハイカム、ハイコンプ仕様。元気の良いエンジンになるチューンが施されている。カムシャフトは256をIN/EXともに採用。ピストンにフラットな形状を採用し、圧縮比をあげている。ポート研磨も行われ、エキゾーストマニホールドには4-2-1タイプで特に2の部分が長い形状を採用し、低速域でのトルクを稼いでいる。乗ったフィーリングはまるで2リッターのエンジンが搭載されたかのようなトルクで押し出され、力強い走り。しかし、高回転域は思ったほどは伸びず、ノーマルと同じくらい。写真の車両のプラグ、プラグコード、エキマニは社外品に交換されているが、このように4-2-1の2の部分が短いタイプのエキマニに交換すると高回転域も伸びきり、パワーアップの率が高いことから、M2オリジナル派の人もここをチューンする人が多い。

サスペンション、LSDは基本的にマツダスピード製のものを仕様している。SHOWA製のダンパー、オリジナルのスプリングはどの程度の仕様変更がされているかは不明。しかし、フロントのスタビライザーは強化され、ロール剛性を高めている。エンジンルーム内のストラットタワーバーも採用されている(これもアルミのバフがけ!)。シャシーは4年式なのでリヤのロワアームバーが1本、追加されたタイプだ。15インチのタイヤは当時は珍しく(チューニングショップのデモカーも14インチ)衝撃だった。このM2以降、15インチ化する人が急増した記憶がある。タイヤも専用開発のダンロップフォーミュラM2 CB-01 という専用タイヤを開発している。タイヤ名に「M2」が入っているのは時期からみて単なる偶然のはず。「CB-01」はこのクルマ専用のための記号、CBの意味はクラブマンか?この1001はアライメントを1台ずつしっかり取り直して、出荷されていたという。通常M2 1001はもう少し車高が高く、前傾姿勢である。写真のクルマはディーテクニックのKONIサスキットを装着して、比較的水平な姿勢になっている。乗り味もコントロール性よくなっているが、オリジナルは・・・。実に手強いハンドリングだ。乗り心地よく、シャープなのだが、サーキットやワインディングに持ち込むと強烈にグリップ。旋回最大0.9Gは当時の国産車トップの数字であったと記憶しているが、そのまま攻め込むの強烈なアンダーステアからオーバーステアに移行する。当時フォーミュラに乗っていた私でもこんなの普通の人がコントロールできるのか!と思うほど、素早いオーバーステアの出方だった。しかし、基本に忠実なドライビングをするとしっかり旋回、アクセルを踏みながらトラクションをかければ、安定する。ドライビングの基本を教えてくれるクルマではあったが、ミスによりスピン、クラッシュした人も多かったのではないか。だれにでも優しく、ドライビングの楽しみを教えてくれるユーノスロードスターに対して、「ダメだぁ、そんなんじゃあ!」と開発者が訴えかけてくるようなハンドリング。この辛口の味付けに対して1001の評価が分かれたのも懐かしい16年前の話。

何よりこのM2 1001の功績は開発スタッフ達の大変な努力によって、合法でコンプリートした改造車を申請を出して登録してしまうということを行ったこと。新しく素晴らしい広報活動、マーケティング活動が行われたこと。この1001以後、コンプリートカーの登録はもちろん、サスペンションの車高変更、ロールバーの取り付け、インチアップ、エキマニ交換、その他、チューニングパーツの取付車検が容易になるように法規が変更されてきた。その突破口のひとつであったことは間違いないであろう。また、エンスーのもとに情報が届き、300台の限定に対して、7倍の申込みがあり、抽選が行われたのも凄い。M2ビルにおいて、お客様とのダイレクトコミュニケーションによって、新たな情報を得るスタイルもその当時の自動車メーカーにはなかった。今や伝説の「M2 VOICE」や各ミーティング、オーナーのためのドライビングスクールなど、至れり尽くせりのサービスが付いていたことを思うと340万円は大バーゲンだった。このあたり、私も知らないことだらけなので、当時のM2の話がわかる方に、いずれインタビューしてみたいと思う。

出来利弘

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