« 2月3日(日)の中止のお知らせ | トップページ | NC ロードスター研究2 エンジンとシャシーの魅力 »

2008年2月 6日 (水)

NC ロードスター研究1 パッケージングと軽量化技術の魅力

Tcr_2000_hakone

NCロードスターNR-Aの新車をベースとしたディーテクニックのコンプリートカー『TCR 2000』。

今日はべースとなったNCロードスターのパッケージングと軽量化技術を研究したいと思う 。

Tcr_2000_hakone_rear_oki ロードスターには『ロードスターの世界と感動』があり、初代が発売されてから現在に至るまで、全く変わることなく貫かれている。飛ばしてもゆっくり流して走っても楽しく、適度な刺激を与えてくれるスポーツカー。自然なフィーリングで走り、降りたあとにその感覚が残るクルマはとても少ない。誰もが『楽しく走れた!』という気持ちになれるのは、本当に凄いことだ。しかもこんな幸せがこれほどの低価格で手に入るとは、本当に信じられない。NAでも凄かったが、NB、NCと走りと低コスト実現のアイデアは絶妙なバランスで進化。かなりクルマを知り尽くした人でしか発見できないような部分にまで及んでいる。特にドライビングを本格的に楽しみたい人に対して応える改良が施された仕様となっている。
この『ロードスターだけが持つ圧倒的な魅力』。それは他のスポーツカーでは得られないものでありながら、私達が忘れてしまっていることが多いのではないか。ここからは、かなりマニアックな話となりますが、NCロードスターの技術面からの魅力を研究してみたいと思う。

Tcr_2000_hakone_engine1 まず目を奪うのはNCのパッケージングだ。
レースカー並みの走りを優先したものでそれに伴うドライビングポジションの良さも印象的だ。軽量コンパクトな2000ccアルミエンジンMZR LF-VE型(1600のB6と同重量、1800のBPエンジンより約20kg軽量)を採用し、エンジン搭載位置を135mmも後方へずらし、バルクヘッドに深くめり込むほどにフロントミッドシップにマウントされている。これによりミッションも後退、ペダル廻りのスペースはかなりタイトだ。フロアマットは見たこともないくらいの細長い。そこまでして前後重量配分を優先、市販車としては異例に低いヒップポイントにより、シフトノブの位置はピタリと合う様になっている。シフトフィールはこれも世界屈指のタッチ!ダイレクトで小気味良く、シフトチェンジが本当に楽しくなる。ステアリングの位置は最適で、さらにチルト機構が追加されている。エアバックで交換が難しくなったステアリングにはロードスター専用の上質な本革巻きとなっている。このステアリング、外してみるとマグネシュームベースの極細のフレームで構成されていて、驚くほど軽い。組み合わされるエアバックも小型化され、自然なステアリングフィールを得る事に成功している。信頼性の高い油圧式パワーステアリングの採用もこれに寄与している。フロントを駆動しないというFRならではのステアリングフィールは上質で、これだけでもロードスターを購入する価値があると言えるだろう。ペダルは狭い中に適切にレイアウトされ、位置、タッチは絶妙。アクセルは十分なストロークがあり、コントロール性が高く、神経質でないのが良い。ブレーキはダイレクトなフィーリングでコントロール性が抜群だ。クラッチは半クラッチ状態が扱い易く、踏力も適度に軽い。このシフト、ステアリング、ペダルのフィールに統一感があり、両手両足の操作が自然に行うことが出来る。また、スポーツドライビング時の有効視界の広さもロードスターの美点だ。他のスポーツカーではAピラーによる死角が大きく、思い切ったドライビングが出来ない例は数多い。ロードスターが私達のドラテク上達に適した車両である理由は数えきれないほどだ。

Tcr_2000_hakone_interior1 さらに本格的マシンとしてNCを見ていこう。
NA、NBのロードスターを本格的走りのスポーツカーとして、サーキットで限界を極めようとチューニングすると、必要となってくるのはエンジンのトルクアップ、車体の軽量化、空力性能の向上、オーバーフェンダーによるワイドトレッド化、大径ブレーキローターの採用と5穴ホイールハブ化などあるがこれらを全てが行われているのがNC。NA、NBで諦めかけていたアンダーからオーバーステアへの限界付近での早い移行もホイールベースの延長で限界が高く、進化した。しかも4mを下回る3995mmの範囲でこれを実現しているのだ。1245mmの低い車高、薄く低いボンネット。こんなに走り重視のパッケージングが量産スポーツカーの企画として通ったこと自体が凄いが、全体を見越し、まとめ上げた開発スタッフの執念を感じるものとなっている。RX-8と基本レイアウトを共用しながらも専用設計で手を加えられたフロントダブルウイッシュボーン/リヤマルチリンク式の4輪独立サスペンションを採用。NCではリヤサスペンションのストロークを増大し、安定したトラクションを得ることに成功している。信じられない話はまだある。ご存知グラム作戦による軽量化は内外装パーツの全てに及び、内装は質感が保てるギリギリまで薄く作られている。アルミパーツが多用され、ボンネット、トランク、サスペンションアーム、サスペンションアッパーマウントまで及ぶ。エンジン、ホイールもアルミなので実に『車体の半分近くがアルミで出来ているハイブリッドボディ』ともいえるものだ。ボンネット裏は軽量化のための穴が無数に空いており、アルミトランクは閉める際にエンブレム部を指で押すようにしないと凹んでしまうほど薄い。純正シートは市販軽量バケットと同程度の重量(NA,NBの約65%)。全ては1090kgの車両重量に向け、トータルチューンされた恐るべきノーマル、NAを凌ぐ軽量化技術だ。そうNAは初期のパワーステアリング、パワーウインドなしが940kg、付きが950kg、しかしエアコンがオプションであり、これらを装着すると970kgだった。当時なかったABS、ツインエアバック、サイドインパクトビーム、キーレス、大径ブレーキ&16インチタイヤ、衝突安全性のための大きなフロント、リヤのリーンフォースメント、ロールバーの標準化、2000ccのトルクに耐えるクラッチ、プロペラシャフト、ドライブシャフト、デフを装備しての1090kgは現代のレギュレーションの中において、2005年に仕上げたスポーツカーとしては立派なものだと言えるだろう。

もうすぐロードスターが生まれて20年になろうとしている。FRレイアウト、ダブルウイッシュボーン/マルチリンクサスペンション、ダイレクトフィールのミッション、トルセンLSDを備え、オープン2シーターのレイアウトを取るこのクルマが、今も存在してくれていることが当たり前となり、その稀少さ、大切さを忘れかけてはいないだろうか。失ってから初めて気がつき、ロードスターに戻ってこようと考えている人、まだロードスターをドライビングしたことのない人のために今も新車で供給され続けていること自体が奇跡であり、ロードスターの凄さであることを改めてお伝えしたい。低価格スポーツカーの存続が難しい中、本物であるからこそ生き残り、進化を続けるロードスター、まだまだ研究してみなければならない。奥はかなり深そうだ。

出来利弘

« 2月3日(日)の中止のお知らせ | トップページ | NC ロードスター研究2 エンジンとシャシーの魅力 »

NC マツダロードスター」カテゴリの記事

カテゴリー

無料ブログはココログ